Contents｜Z世代_04 【マーケ成功の鍵】共通の価値観からZ世代をグルーピングする分析手法

Instagramを活用するZ世代と一口に言っても、そこには多様な価値観・嗜好性が混在しています。こうした価値観と嗜好性を整理せずに展開する対Z世代プロモーションは失敗しやすくなります。

多面的な人間関係が存在するInstagramにおいて、価値観・嗜好性からZ世代をグルーピングするために必要な観点がトライブ（SNS上に存在する共通した価値観・嗜好性を持つユーザー群）です。

本記事では、トライブの分析手法を解説し、その上でZ世代が所属する代表的な5つのトライブを紹介します。

はじめに、InstagramにおけるZ世代をトライブごとに切り分ける分析手法について解説します。

まずは上の画像をご覧ください。この画像では、同じユーザーにフォローされやすいアカウント（著名人やメディア等）を線で繋ぎ、マップ化しています。そして5つの色をつけた場所は、一つのアカウントから伸びる線の数が多いことが分かるでしょう。

これらのユーザー群がマーケットとして狙うべきトライブになります。こうしたトライブに適切な商品を適切にプロモーションできると、一人のユーザーに対してさまざまな導線から商品情報に触れる機会を創出できます。

このようにトライブは、Instagram上における実際のフォロー関係から共通の価値観・嗜好性を持った人物が集まりやすいポイントを探る形で分析していきます。

1つ目は「ネット発マスカルチャー追いかけ関心トライブ」であり、次のような特徴を有します。

価値観	ブームやトレンドを追いかけることへの強い関心
行動	ABEMAやネット番組のブレイクタレントをフォローファッションやコスメにも関心を有する
ハッシュタグ	＃ディズニー、＃ユース学園、＃制服プリ＃シミラールック、＃文化祭、＃ヘアセットなど

ブームの予兆やトレンドを追い続けるため興味を持つコンテンツの幅には一定の広さがありますが、とにかく時代の先端に位置するコンテンツに敏感に反応します。

2つ目は、「等身大ライバーファンコミュニティトライブ」です。特徴は次の通りです。

価値観	ブレイクしたインフルエンサーへの強い関心インフルエンサーを人気にする企業への好意
行動	TikTok・YouTube・ライブ配信アプリでのブレイクインフルエンサーをフォローインフルエンサーとコメント上でフランクに会話
ハッシュタグ	＃過去pic、＃カフェ、＃高校生、＃instalove ＃歌詞動画、＃エモい、＃ljc、＃渋谷など

このトライブに所属するZ世代はライブ配信系のプラットフォームに関心が高く、そこからブレイクしたインフルエンサーをフォローする傾向を持ちます。また自然体のインフルエンサーを見られる投稿を好み、インフルエンサーとフランクに会話する特徴があります。

3つ目は「“インスタ映え盛りテク・スポット”捜索トライブ」です。

価値観	友達と会話するためのネタ探しに対する強い関心と好意
行動	Instagramで盛れるテクニックやスポットをフォローペアコーデ・ポージング解説メディアからの情報収集写真撮影
ハッシュタグ	＃ぷりんと倶楽部、＃jkブランド、＃jk、＃体育祭＃プリクラポーズ、＃青春フォトグラフなど

このトライブに所属するZ世代はインフルエンサー本人をフォローするのではなく、自分が友達と楽しむためにペアコーデやポージングの情報に関心を示します。そしてスポットを訪問してインスタ映えのする写真を撮影し、Instagramに投稿します。ハッシュタグから分かるように、青春を謳歌することを大切にします。

4つ目は「“ユーズド＆ストリートコーデ”発信トライブ」です。

価値観	古着やジェンダーレスファッションへの関心音楽やコスメへも間接的に関心を有する
行動	古着やジェンダーレスファッション的価値観を体現するインフルエンサーをフォローファッションの情報を収集・発信するためにInstagramを利用
ハッシュタグ	＃nike、＃fashion、＃おしゃれさんと繋がりたい＃古着、ストリートファッション、＃古着コーデなど

このトライブに共通するのはファッションへの強い興味です。特に古着やジェンダーレスファッションなどの一定のニッチさを有するカテゴリに強い関心を示します。またファッションからの派生としてコスメや音楽にも一定の関心を有しています。

5つ目は「同世代アーティスト・クリエイターカルチャートライブ」です。

価値観	同世代で独自の世界観を有する人物や尖ったモノへの憧れ内側にある価値観や思想への憧れ
行動	同世代で独自の世界観を持つアーティスト・クリエイターをフォロー筋トレや旅行といった人生を充実させる行動を実行
ハッシュタグ	＃コムドット、＃paragraph、＃旅行、＃スノボ＃keboz、＃筋トレ、＃bf、＃gdragonなど

このトライブでは、ユーザーの中に尖ったモノへの憧れが共通して存在しています。そのため同世代の独自の世界観を有するアーティストなどをフォローする傾向があります。

トライブはspiceboxが提唱する独自の概念です。そしてトライブに基づくZ世代およびInstagramの分析は、まさに最先端のマーケティングだと考えています。

トライブを利用することで市場規模を確認しつつ、ターゲットとなるZ世代を解像度の高い形で理解できるのです。Z世代に対するマーケティング戦略を立てる場合は、トライブにしっかりと焦点を合わせてみてください。